黄帝内経

2011.01.29

人の寿命を決めているのは何か?-その1

魏時代 鍍金鶏形銅印-3 .jpg

 寿命を考える上で、生物の基本に立ち返り、事故や病気で人が死ぬ以外に、老衰により死に至る、本来の生物としての死を考えたい。
このような寿命は、老化が決定しているといえるだろう。この老化に関して、昔から様々な説が出てきていたが、どれも決定打とはいえなかった。たとえば、免疫学の世界で有名なバーネットは、その著書「免疫、老化、がん」(共立出版)の中で、老化を次のように記述している。
1.筋力、心臓拍出量などの総ての生理機能の、活力と効率の持続的減退
2.これに関連する臓器、内臓、組織のなかの細胞の萎縮と消失
3.外傷と感染に対する感受性の増大
4.自己免疫疾患、アミロイド症、悪性疾患(がん)、などの増大
5.上記の疾患を引き起こす、免疫系の機能不全による発症率の増大。
これを説明する理論も紹介していて、
1.消耗説
2.(a)体細胞突然変異あるいは(b)遺伝子調節の不調による機能不全の集積
3.免疫系の持続的破壊と、これに付随する二次的影響
というものである。
  人の最大寿命という文章で説明した、人の臓器の他因子による劣化による死亡するという説は、バーネットの説では、消耗説に入る。しかしながら、上記の老化を、細胞生理学の立場で説明すれば非常に簡単で、「細胞の様々な機能の不全」という一言で表現できる。

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