病気の解説

2010.09.21

1)脳梗塞について

   柿右衛門様式濁手色絵桐に鳳凰文中皿のサムネール画像のサムネール画像 

 
1)脳梗塞について
 この病気は、ご存知のように、腦の血管に血栓ができて、その血管の支配する腦神経細胞に、酸素と栄養が供給できなくなり、神経細胞が死滅して、後遺症が残る病気です。この治療法については、現在のところ発症すれば直ちに入院させ、血栓を溶解させる薬剤を投与するというのが、一般的です。このような薬剤には、人尿から取ったウロキナーゼや、tPAという、血栓を溶かす薬が使われます。しかしながら、これらの薬剤を使うのはとても難しく、使ったために出血をひきおこして、出血性梗塞と変化し、更に重篤な病態になることが多いことが知られています。しばらく前に、亡くなった首相がおられましたね。あの方は、おそらくこの「出血性梗塞」で死亡されたものと、推定しています。最近では、このような経験をふまえて、脳梗塞直後から、積極的な治療はせず、落ち着いてからリハビリで回復を図るようになってきているようです。
 私は、このような治療は、2つの意味で間違っているのではないかと考えています。ひとつは、リハビリの開始時期は、脳梗塞が発症したら、すぐにするべきであると考えている点です。これは、アメリカでは、同様に発症直後からリハビリするとしているようですし、私の診療所の患者さんたちが、何人か脳梗塞を発症され、入院させずに直ちに本人にリハビリをするように指導して、後遺症をまったく残さずに、すべて完治させることに成功していることからも、言えることです。二つ目には、漢方薬の一つである「牛黄」を中心とした漢方治療と、抗圧剤などを併用しているおかげで後遺症が残らずにすんでいると、考えています。このような治療は、病院ではほとんどされていません。
 脳梗塞の場合、神経細胞は、グリア細胞を通して栄養を得ていますから、このグリア細胞のネットワークから酸素などの栄養を得るので、100パーセント死滅するのではないようです。必ず生き残った神経細胞があり、これを上記の薬剤で保護してやれば、まったく後遺症なく脳梗塞は、治癒するようです。
 2)リハビリについて
 リハビリは、介護者がついてするだけでなく、本人が積極的に、発病したときにすぐに始めてください。3ヶ月しますと、症状は固定したとして、ほとんどの場合リハビリは打ち切られます。それでも、後遺症が残っているばあいは、漢方薬を勧めます。発病後2年して、来院された患者さんがいますが、煎じ薬を服用して、不可能と思われていた、手や足を少しずつ動かせるようになってきたり、しゃべれるようになってきて、1年以上服薬を続けられている方がおられます。
 このようなリハビリの機能回復訓練指導を、以前テレビでアメリカの老人都市では、より若い老人が、ボランテアでやっているのを、見た覚えがあります。お金で雇うのでなく、総ての者は、いずれ老いるわけですから、より元気なものが、病人の面倒を診るというシステムが作られていました。おそらくこういうシステムを、作り上げていくことが、差別のない世界を作り出すものと考えています。このような老人都市は、日本ではいまだ作られてはいないようです。日本の社会では、本来はこのように機能するべきものが、金儲け主義の医者たちにより、ゆがめられて、リハビリ専門病院という形となっているように、思われます。
 それだけでなく、介護される年寄りのほうにも、自立して生きてゆく覚悟と、病気になっても、すぐにリハビリをして、できる限り早期に、自立することを求められます。日本では、あまり自立させる努力はなされていないようです。(介護の人たちの仕事が減ることの方向には、介護者が努力しないという、矛盾があります。ここが大きな問題点なのでしょう。)
 社会保険の精神が、資本主義という、金儲けを是とする精神と、ぶつかっているのが、現状です。私には、ここに、お釈迦様の答えがあるように思われます。
 
 

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